Desperado (Eagles)
その昔、(といっては少々大げさですが)カセットテープ全盛の時代、好きな曲を録音した
「マイテープ」を車の中で、あるいは一人部屋の中で流すのが一つの流行のようになって
いた。今のデジタル時代とは違って、曲目の選択から曲順の決定まで、かなりの時間と労力
を要した。だからこそ、出来上がったテープは「何者にも代えがたい」ひとつの「宝物」
といった位置付けであった。当時はそのようにして作成した「マイテープ」、誰に聞かせて
も感動させる自信があった・・・だが、それは一人よがり・・・あとになって気がつく。
「自分の感性こそすべて」といった人生のほんのひと時であった・・・が、これはこれで
楽しかった。今思い出すと、あの頃ほど音楽というものに真正面から聴き入っていた時代は
なかったかな〜。だからこそ、「これを聴いてみろ!すごいだろ!」といったある意味傲慢
な態度にでることが出来ていたのであろうが、一番の被害者は家内である。興味のない曲を
延々と聴かされることほど拷問に近いことはない。でも今は妻である。夫婦に趣味の一致は
あまり関係ないのだろうかな〜???そんな家内にも「う〜ん・・・」とうなる1曲が
あった。EaglesのDesperado・・・これがそうだ。当時私はどの「マイテープ」のラストに
もこのDesperadoを収録するほどまでにこの曲が大好きであった。しかもなぜかいつもラスト
に入れたくなるのである。この曲にはすべてを完結させる魔力がある。そう!何にせよ
エンディングがピッタリとくる名曲なのである。これを聴かなきゃ終わった感じがしない。
行ってみればDesperado症候群にかかっていたのである。今でもそうだ。一日の締めくくり
にはコイツが聴きたくなる。何と言う安堵感だろう、「今日も一日終わったな〜」・・・
決して明日につなげる発展的な終わり方ではない、だがそこがこの曲のいいところ。「こ
こで終わり、明日のことはまた明日考えればいい、今日はゆっくり休もう」・・・そんな
気分にしてくれる1曲なのですな〜。これが収録されているアルバムは数あれど、個人的
にはアンプラグド・ライヴ盤としてでているHell Freezes Over,これかな〜。この中で
もやはりラストを飾る1曲として収録されているのは果たして彼らの気まぐれであろうか?
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