8/27 真夏の夜の夢



「キスの夜釣り」・・・一般によく話題にのぼる釣りではあるが、実際にやって
みると思ったほどの爆釣はあまりない。「夜釣り=型狙い」というイメージが先
行するためか、「置き竿」でこれをやる人がほとんどで、エサも「チロリや本虫」
といったビフテキ級の高価なものを使う。結局、夜はエサを探し難い故、臭いで
誘うという発想なわけで、エサから離れたところにいるキスにエサの存在を気づ
かせる確率が高いから・・・なのであろう。しかし、たとえ「集魚効果」抜群の
エサといえども、やはりキスのポイントにのすけてやらなければ、まさに宝の持
ち腐れだ。夜釣りであっても基本は昼間の釣りと同じ・・・竿を手に持って探っ
て居場所をつきとめる、で、見つけたら何らかの遠隔操作を経て正確にその場所
へエサを運んでやる。こういう基本さえ押さえておけば、エサは何でもいいと、
個人的には思っている。だから、石ゴカイだ。夜でも引き釣りだ。昼間と仕掛け
も同じ。タックルも同じ。強いて言えば、夜のキスは浅場で釣れることが多いの
で、錘だけは軽めの20号あたりを使う。これでも投点は余裕で100mくらい
行く。話を最初に戻すけれど、「キスの夜釣り」が釣れない時期は個人的にもか
なり長い期間あった。最初に習ったキス釣りが夜釣りであったため、キスは夜!
と盲信した。ほとんど毎回夜の釣りを展開し、玉砕した。それでも長く辛抱して
やっていると、「夜にキスが活性化する場所とそうでない場所」があることがボ
ンヤリ見えて来た。こういうときに失敗が生きる。無数の失敗と、ごくわずかな
成功・・・これを重ねることにより「浮き彫りになってくる」真実は意味が大き
い。人を頼りに常に成功だけをしてきた場合は、そのパターンが釣れないときに
応用が効かない。山勘が働かないのだ。「勘も実力のうち」とよく言うけれど、
それは数多くの失敗に裏打ちされて初めて意味を為す。

「キスの夜釣り」・・・基本は「月夜」と「人工的な灯り」なのだけれど、「月夜」
であれば必ず釣れるというわけでもないし、「灯りポイント」が常に釣れるという
ほど甘くはない。たとえばワタクシのよく行く「倉橋島尾立」・・・ここは満月
煌々たる絶好の月夜でも、夜はまったくといっていいほど釣れない。山陰の須佐
・・・ここは沖は真っ暗闇だがなぜか夜ポツリポツリと釣れ続き、朝になるとウン
ともスンとも言わなくなる。など、「例外」は結構ある。基本の「月夜」と
「人工的な灯り」をマスターするには・・・やはり通うこと。通って夜のマイ・
ポイントを探すこと・・・これがタイヘンで気が遠くなる作業なのだが、エリア
を絞って探せば意外と簡単に見つかる。キーとして、「月夜」なら砂浜の浅場、
「人工的な灯り」なら、・・・民家の裏(笑)とか船が停泊している港湾部の船
道などがポイントになることが多い。ただし、人工的な灯りにつくキスはすぐに
散ってしまうので、デリケートな釣りになるし、どんなに気をつけてやっても、
1箇所で10匹拾えれば大成功という場合が多い。夢のように釣れ続くという場所
はそう滅多にあるものではない。が、時として、なんらかのタイミングにより、
去年の5月とか今日のように爆発することがあるから夜釣りは面白い、やめられ
ない。通常は、夜間に回れる場所の数は多くて3箇所。1箇所平均10匹上げて
トータル30匹くらいになれば上出来というスタンスで付き合ってみると、キス
の夜釣り、結構面白いっすよ。(普通は30匹も釣れませんから・・・爆)

本日は、天応・吉浦・呉の3箇所を叩いて72匹、型も15〜20がメインで
クーラーボックス満タンでございました〜♪
(この釣果はちょっと例外。恒久的なものではございませんので、誤解なきよう)


さ〜てさて、ここのところ忙しくて8月の釣行記さぼってますので、真夏のキス
総まとめの意味で、8月に入ってからの釣果をちょっとばかり、


今年の梅雨明けキスは個人的には渋かった。というか、去年の実績場にこだわり
すぎた。去年絶好調だった流れ込みポイント渡子2丁目。今年はかなり期待を裏
切られたが、毎回通った。少しずつではあるが、こういうシーンも見られるよう
になったが、まだまだ本調子ではない。例年のパターンが例年通りキッチリ繰り
返されるほど、釣りは甘くない。どの時期にどの場所を見切り、どの場所を釣る
か?・・・このタイミングがいかにいかに難しいかを実感させられたな〜。




(7/27流れ込みポイント+能美の釣果・・・去年との落差が・・・)

梅雨が明けてちょっと嵌ったのがココ。能美・・・ちょうど江田島鷲部の対岸。
もっと早い時期に来ておけば面白かっただろうな〜。結構お気に入りの場所。






んでもって、こちらが真夏のオアシス「日陰ポイント早瀬」での釣果。
・・・過去の経験から、ここは真夏〜秋にかけてよかったような・・・ただ、
これは過去の経験の中のほんの一時期で得られた感触。信憑性はございません。
あくまで個人の感性
ご判断ください。一言に「秋」といっても、初秋なのか晩秋なのか、あるいは
その中間くらいなのか?それは当然のことながら、年によって違いが出るはずで
すからねっ。





で、この日陰ポイントは新しく造成された護岸なのだが、こういう新しいコン
クリートはキス釣りには結構重宝いたします。ご覧のように、コンクリートに
軽く指を擦り付けると・・・・



ホ〜ラ、こんな具合にコンクリートの乾燥したきめ細かい粒子が薄っすらと指に
くっつきます。コレ・・・何に使うと思いますか???
チョット意地悪して、答えはBBSにて・・・はっぴょう〜いたします。
(結構昔から語り継がれていることですから、ご存知の方も多いハズ!!



さてさて〜・・・今年の真夏はワタクシの例年の行動パターンを一変させるほ
ど、ある意味「破格」でありました。いつもの年ならば、「釣れることはわか
り切ってるし、人も多い早瀬の瀬戸」・・・ところが、実際行ってみると意外
や意外、人がいない。釣り人の心理として、「なるべく楽に釣れる場所を知り
たい」というのは誰にでもある。だから「釣れる」と聞いた場所には人が殺到
する。毎年ココはこの時期某情報誌に掲載される、言ってみれば定番。なのに
なぜ人がいないの?・・・つまり「釣れる」という確証が欲しいのじゃないか
な〜。けれどもそれは個人的には趣味の釣りとはチョット違うような・・・
忘れ去られた釣り場に敬意を表して竿出しでしてみると、ホラー、いくらでも
釣れます。マイポイントを検索した後なので、すでに時間はずいぶんお昼に
近くなっていたのだが、



もう開始早々からこんな具合っす。この前回、対岸がよかったのだから、コッチ
が食わないはずないよね〜。情報誌にたよったものでない、自分の腕で確かめた
んだから、こりゃほぼハズレはないっす。



でもでも、この次の釣りでは・・・結構渋い展開となったわけで、ホント、自然
というものは、どうなってるのやら。まっ、そこんとこをじっくり考えながら釣
りをするということが、ワタクシ的にも好きなので、こんなことでは降参いたし
ませんからねっ。

どこの釣り場にも言えることなのだけれど、その釣り場は決して「常に釣れ続
く」場所ではございません。要は、どういうタイミングでどんな時期に釣れたの
か?ということを、単なる情報誌だけからの知識ではなく、実際に自分でじっく
りと、失敗も成功も、味わった時に初めてその釣り場への評価ができるのではな
いかな〜?

こと「ご近所のキス釣り」に関してはありとあらゆる場所をこれまで検索して
きた。これで調べ尽くしたとは決して思っていないし、世の中にはそんな場所は
とっくの昔に調べ尽くしたよっ!という人は数えきれないくらい居るはず。

が、自分の釣りなのだから、「自分がどれだけ足を運んだか?」がとっても大切
なことだし、その過程での失敗はむしろ・・・楽しいものである。

いや〜、キス釣りにここまで嵌ってしまうとは、釣りを習い始めた当初には想像
もしていなかったが、最初に「キスは夜釣るもの!」と教えてくださった師匠に
は心から感謝いたします。習ったままのことを実戦し続けて17年。ようやく
「夜のキス」というものが理解でき始めてまいりました。

次はいよいよ、ワタクシの最も苦手とする・・・といいますか、これまでは山陰
に逃げてきた・・・瀬戸内の秋のキス!いわゆる「落ち」ですなっ!これを今年
はぜひとことんやり込んでみようか、と今日から仕掛け作りで〜っす。今日で
ストックがすべてなくなってしまったもので(笑)。

あっ、そうそう、仕掛けが底をつき始めた時、ちょうど手元に2年間もストック
しておいた「大ギス用の仕掛け」・・・コイツを止む無く今日使いましたが、
掛かりも悪くなく、何より「バレがない」。掛かればすべて大バリが喉のすぐ上
を貫通しており、掛かったキスが外れることを一切心配せずに魚信だけに集中で
きたように思います。使用したハリ・・・競技用キス12号、スピニングB13
号、アスリートキス9号・・・どれも通常のキス釣りにはとてもじゃないけど使
う気になれいほどバカデカイものです。じっくりと実績を積み上げて、いつか、
「大バリによるキスの引き釣り」な〜んて、書いてみたいな〜。

それでは、とってもなが〜い文章におつき合いいただき、ありがとうございまし
た〜。秋の落ちギスへ向けて、お互い切磋琢磨いたしましょ〜♪