6/13,20,24
古き良きパラダイスと尺ギス考



以前足しげく通ったかつてのマイ・パラダイス。手前では子供向けに15cm級
のキスやギザミが入れ食ってくれ、遠投にはご覧の通り、20cm級の連掛けが
(この日は3連までだったけど・・・)楽しめる場所・・・といっても一つ二つ問
題がある。実はココ、楽な経路で行こうとすれば私有地の中を通過しなければな
らない。持ち主の方は、釣り人が畑の上を堂々と踏んであるいている!と怒り
心頭だ。ワタクシはちゃんと山道を歩いて入釣していたので、持ち主の方とは
うまくコミュニケーションがとれていたのだが、後を絶たない無法者たちに切れ
てしまったこのお方、ついに全面立入り禁止にしてしまった。よって、ここ最近
は釣り人の姿は見かけないし、自身も遠慮して立ち入るのを4〜5年止めていた
のである。だが、一度味わったパラダイス・・・そう簡単には忘れられない。
他の釣り場でも十分荷になっているので、わざわざこういう場所にまで立ち入ら
なくてもいいのではあるが、気分というものがあるからな〜。自身の釣り行動パ
ターンもそろそろマンネリ化してきており、新鮮な感覚でキスが狙える場所を
新たな気持ちで探さなければオモシロミがない。ということで目をつけたのが、
昔の釣り場。久しぶりであるから新鮮だし、それ以上に、昔の自分と今の自分で
は、明らかにキス釣りのとらえ方において成長はしている。違った攻め方、切り
口ができそうだし、ココを基点にまだ攻めていない周辺部の検索もできる。やる
ことは簡単・・・持ち主としっかりコミュニケーションをとることと、水際を歩
くこと(笑)。今までにないパターンなので、やはり楽しいし、このワクワク感
がとってもイイ♪

ここ2回の検索のおかげで、メインになる砂浜以外の小規模な砂浜、岩場などで
もキスが狙えることがわかった。型はどこも同じ、20cm前後の良型優等生だ。
網が入っていることが多いが、この日もやはり入っていた。以前はすぐに移動し
ていたが、引き潮・満ち潮で網がどちらに湾曲するか?確かめたかったのと、
何色まで引けるかをやってみたかったため、竿出ししてみた。結果、3色以遠な
ら、何とか釣りになることがわかり、大きな収穫。しかも、網の外側には良型が
たまっている模様。ワンキャスト・1or2フィッシュでないと取り込みが難し
いが、アタリが鮮明でオモシロイ。このペースで普通に釣れば、条件の悪い日でも





昼までやってこのくらいの釣果にはなる。まっ、倉橋一帯、1箇所で昼までやっ
てこのくらい釣れる場所はそうあるものではないであろうから、とりあえず、
パラダイスの称号を与えておくことにいたします。
頑固なおじいさんとのコミュニケーションに自信がおありの方は、入釣してみて
もいいかな〜。

さて、この辺で話題をちょっと変えて、「尺ギス考」でも・・・



6/24この土曜日の釣果の一部でありますが、27.3cm・・・久々に興奮
いたしました〜。一番嬉しかったこと・・・それはとりあえず大型の実績がある
場所で、狙ってみたその意図が的中したことと、何より、引き釣りで獲ったこと
・・コレに大きな意味と醍醐味があるわけでして、釣り味は今シーズンのベスト
1にあげられるまさに「会心の一撃」でありました。大型は「置き竿」で狙うこと
が多いせいか、今一つその釣り味に味気ないところがあります。去年山陰で獲った
27〜28.5というサイズも置き竿にしていてたまたま獲れたものだし、先日
の尾立での26.5・・・コイツも、狙ったとはいえ、置き竿だった。だから、
ワタクシの中ではさほど喜びの大きい記憶に残る魚とはちょっと言いがたい。
27cm以上のサイズで話をさせていただくと、これまでではっきりと鮮明に記憶
の中に刻み込まれているのは、10匹くらいしかないが、そのほとんどを倉橋南
海岸(尾立を含む)であげており、いずれも引き釣りで獲ったものであるから、
大型のアタリがどういう具合にくるのか、身体が覚え込んでいる。水深によって
アタリの出方は、とくに大型の場合、まったくといっていいほど異なる。浅場は
まさに強烈な一撃二撃三撃といった感じでガツンガツガツときてギュイーンと走
る。以前は何度も走らせてスリルを楽しんでいたのだが、途中でハリはずれにな
ったり、藻に潜り込まれたりして獲り逃がしたという苦い経験を経て、最近は即
回収するようにしている。水深のある場所でのアタリの方が個人的には好みだ。
なぜかそのほとんどがスローモーションなのである。竿先をス〜っと引き込む
前アタリが来て、さらに2〜3度竿先をグィ〜ンと持っていくような引き込み。
その一部始終がかなりスローで、一つ一つの引き込みが鮮明に脳裏に焼き付けら
れる。「キタキタ〜、コイツはデカイぞ〜」・・・思わず独り言をつぶやく余裕
が持てるほどスローモーションだ。んでもって巻き上げがまた圧巻だ。竿が弓な
りとはこのことだ。たかがキス1匹だが、その重量感はとってもズシーンとくる
感じであり、事実リールを巻く腕は結構悲鳴をあげる。途中でゴツゴツしたもが
くキスの魚信を味わえるのも水深のある場所での醍醐味だ。こういったスローな
過程一つ一つをじっくり味わうことのできるのが何と言ってもイイ〜♪

尺ギスを釣るにはその確率を上げてやるしか手はない。したがって、狙おうとす
るなら、釣り人はその行動パターンにおいて「一貫性」を持つことが要求される
であろう。つまり、「どこどこで〜センチが上がった」といった一過性の情報に
踊らされることなく、常に信じる釣り場に通いつめること。そこで必ず尺が出る
と信じて釣り場を愛すること。確率論は基本的に条件が複雑になればなるほど、
乗法によってその分母が肥大化する。よって釣れる数学的確率は落ちる。まった
くの偶然性にたよってしまうということになる。それはそれでまた楽しいのだ
が、行動を分散させないことによって分母の肥大化を最小限にとどめることは
可能だし、個人的には現時点ではこういう「一途さ」がワタクシの性に合って
いる。行動範囲を最も可能性の高い倉橋南海岸に集中させて、いつの日か、ココ
で堂々たる尺を手にできれば、この上ない幸せです。

これまでの生涯で手にした尺ギス・・・石見海浜公園にて上げた32cm1本。
まったくの偶然性によってえられた幸運、しかし、ワタクシの中ではその意味は
小さい。これまで尾立で上げた27〜28cm級数本の方が心地よく記憶に残っ
ている。本日の1本もその中の一つと・・・なった!!